【11月9日 AFP】建造開始から70年以上がすぎた第二次世界大戦(World War II)時代の潜水艦「海豹(Hai Pao)」は博物館に所蔵されていてもおかしくない。だが同艦はいまだ台湾海軍の現役艦だ。

 かつて米軍に所属した年代物の潜水艦を台湾が現在も使っている背景には、中国政府の顔色をうかがう欧米諸国の支援が得られないため何十年も潜水艦戦力を増強できないでいる現実がある。

 台湾を自国の領土と主張する中国は、台湾への武器輸出に反対している。だが台湾の防衛に最新の潜水艦部隊は不可欠だと専門家たちは指摘する。中国の軍事的脅威に対する有効な抑止力になるというのだ。

 しかし米国もドイツもスペインも、中国政府への配慮から台湾への潜水艦輸出には後ろ向きだ。

 台湾海軍は現在、1940年代に建造された老朽潜水艦2隻のほかに、1980年代に就役したオランダ製の潜水艦2隻を運用している。一方の中国海軍は原潜14隻を含む60隻以上の潜水艦を保有している。