【11月8日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は7日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と戦うイラク政府とクルド人部隊を支援するため、最大1500人の米兵のイラクへの追加派遣をバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が承認したと発表した。

 声明は「現場にいるパートナーを強化するわれわれの戦略の一環としてオバマ大統領は本日、クルド人部隊を含むイラク治安部隊への訓練、助言、支援を行う非戦闘任務のため、追加の米軍人1500人を派遣することを承認した」 としている。1500人の中には、イラク軍の作戦立案を支援する軍事顧問のグループと、イラク国内各地に配置される訓練要員のグループが含まれるという。

 米国防総省は、米兵の追加派遣は、イラクと隣国シリアの広い地域を掌握したイスラム国に対する「主要地域の防衛と、攻勢のための有志国の作戦の展開」に歩調を合わせたものだとしている。

 米国防総省によると訓練はイラク軍の9旅団、クルド人自治区の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)の3旅団の計12旅団を対象にイラクの北部、西部、南部で行われる予定で、有志国の要員も加わってイラクの軍事能力を強化するという。

 オバマ大統領は7日の増派発表に先立ち最大1600人の派遣を承認していた。現在、イラク国内には首都バグダッド(Baghdad)とクルド人自治区の中心都市アルビル(Arbil)で活動中の軍事顧問約600人、バグダッドの米大使館とバグダッド国際空港の警備要員約800人の合計約1400人の米軍人がいる。今回発表された増派により、イラクに駐留する米軍人は最大3100人にまで増えることになる。(c)AFP