【11月5日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)政権の今後を左右する米中間選挙は4日、投票が始まった。野党・共和党が上院でも過半数を獲得する公算が大きくなっており、それが現実のものになれば残り2年の任期を実り多いものにしたいというオバマ大統領の願いは打ち砕かれるとみられる。

 鍵となる多くの州で接戦が見込まれているが、世論調査の結果を見る限り、共和党が2006年以降初めて両院で主導権を握るために必要な上院の6議席を獲得する可能性が高いとみられている。

 一方惨敗を回避しようと最後まで奔走した与党・民主党は、多ければ10州で上院の議席を失う恐れも出てきている。

 歴史的には、現職大統領が率いる党は大統領の任期2期目の中間選挙で敗北することが多い。ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)元大統領以降の大統領は例外なく野党が議会で主導権を握った状態で退任しており、オバマ大統領も例外ではなさそうだ。

 多くの共和党員らが、「アンチ・オバマ」を選挙運動の軸に据え、問題続きの医療改革をはじめとするオバマ大統領の政策批判を展開。オバマ氏の不人気を利用し、有権者らに議会に新しいリーダーシップが必要と思わせることに成功している。

 しかし共和党がどんなに優勢でも、完全な結果が5日中に判明しない可能性がある。本土から離れたアラスカ(Alaska)州で予想がつきにくい接戦が繰り広げられており、開票作業に数日掛かる恐れもある。

 またどちらかが過半数の票を獲得しない限り再投票が義務付けられているルイジアナ(Louisiana)州とジョージア(Georgia)州では、決選投票となる可能性が高い。そうなればルイジアナ州では来月6日の投票となるが、ジョージア州では来年1月6日になるとみられ、次の会期が始まる来年1月3日の時点で上院の主導権を握るのがどちらの党になるか分からないという状況が生まれかねない。(c)AFP/Michael Mathes