【11月3日 AFP】民間宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)の商用宇宙船「スペースシップ2(SpaceShipTwo)」が試験飛行中に墜落した事故について、安全性に関する警告を数年前から繰り返し伝えていたにもかかわらずヴァージン側に無視されたと、専門家が2日、明らかにした。

 オランダに拠点を置く「国際宇宙安全推進協会(International Association for the Advancement of Space SafetyIAASS)」のロケットエンジンの専門家キャロライン・キャンベル(Carolynne Campbell)氏は、2007年にロケットエンジンの地上燃焼試験で技術者3人が死亡する事故が起きて以来、「スペースシップ2」のロケットモーターと燃料についてヴァージン社に何度も警告してきたという。

「私が執筆した亜酸化窒素の取り扱いに関する論文など、これまで当協会で行ってきた調査研究に基づき、われわれはヴァージン・ギャラクティックの計画に懸念を抱いていた」と、キャンベル氏はAFPの取材に語った。「論文の写しを2009年にヴァージン・ギャラクティックの複数の人物宛てに送ったが、無視された」

 キャンベル氏はさらに、電話でヴァージン側に懸念を伝えたが、この忠告も取り合ってはもらえなかったという。

 キャンベル氏が警告した亜酸化窒素は、ポリアミド(ナイロン)・プラスチックを原料とした新化学物質とともに「スペースシップ2」の燃料成分と報じられている。(c)AFP/Rob Woollard