【10月28日 AFP】オーストラリア政府は27日、エボラ出血熱の流入を阻止する水際対策の一環として、流行地域である西アフリカ諸国からの入国を見合わせていると発表した。同国では、ギニアから到着した10代の少女が検査を受けたが、エボラウイルスへの感染は陰性だった。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)移民・国境警備相は議会で、史上最悪のエボラ出血熱の流行で計5000人近い死者が出ている各国の国民への入国査証(ビザ)発給を一時停止したと述べた。見合わせ措置の中には「人道支援プログラムによる移民の受け入れ」が含まれており、モリソン移民相は「(エボラ流行の)影響を受けている国々からのビザ申請は現在、処理を行っていない」と述べた。

 エボラが流行している国々の国民でも、人道的見地からすでにビザが発給されている人々は豪州へ来ることはできるが、出発時と到着時に3種類の健康診断とスクリーニング検査の対象となるという。しかし、一時または短期滞在用のビザを持ち、まだ豪州へ向けて出発していない人々に関しては、ビザを撤回したり無効にしたりする可能性があるとしている。

 一方、人道的見地から永住ビザを発給され、エボラ流行国の一つ、ギニアから親族8人とともに12日前に到着した18歳の少女は、到着当時ブリスベーン(Brisbane)の住宅で隔離されていたが、その後、発熱の症状がみられたため26日に同市内の病院に搬送された。1回目の検査の結果、エボラウイルスへの感染は陰性だったが、現在も病院にとどまり、29日に2回目の検査を受ける。この他、同じギニアとリベリア、シエラレオネから豪クイーンズランド(Queensland)州に到着した別の3家族についても、一定期間、住宅に隔離され、健康状態を監視する措置が取られている。(c)AFP