【10月28日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は27日、トルコと国境を接するシリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)をめぐる戦闘で劣勢に回っているとの見方を否定するため、同町とみられる街中に立つ英国人の人質を撮影した動画を公開した。

 動画内の人質は、以前の動画にも登場した英国人ジャーナリストのジョン・キャントリー(John Cantlie)氏(43)。戦闘で荒廃した街中に立ち、カメラに向かってイスラム国がコバニから撤退しているとの米国側の主張を否定した上で、イスラム国はコバニの東部と南部を掌握しており、勝利は時間の問題だと語っている。

 動画の撮影時期は不明だが、キャントリー氏は、英国放送協会(BBC)が10月17日に報じた内容や、米軍関係者の10月16日の発言に触れている。

 動画の中のコバニとされる光景には、トルコ国旗が掲げられた穀物貯蔵用サイロが写っており、これはコバニに隣接する国境地帯の地図に記されている内容と一致する。

 また、「イスラム国軍の無人機」によって撮影されたとされる空撮映像も含まれており、街並みの配置は、戦闘が始まる前のコバニを写した衛星画像と一致している。(c)AFP