■宿営地内で「強制婚」、美人は特別扱い

 HRWによれば、ボコ・ハラムは2009年に反政府活動を本格化させて以降、500人を超える女性や少女を拉致している。1000人近いという推計もある。

 証言によると女性たちは、カメルーン国境に近い広大なボルノ州のサンビサ森林地帯(Sambisa Forest)からグウォザ(Gwoza)山地にかけて点在するとみられるボコ・ハラムの宿営地8か所に拘束されていた。宿営地では、乳幼児から65歳まで幅広い年齢層の女性や少女たちを目撃したが、全員が拉致された女性なのかどうかは分からなかったという。

 女性たちは料理や掃除、家事全般をさせられていた。ボコ・ハラムが襲撃の際に強奪した盗品の運搬を強要されていた女性たちもいたという。

 また、一部の女性や少女は「美しいとの理由で特別な扱い」を受けており、チボクの学校から拉致された女子生徒の一部は、そうした選ばれた女性たちの身の回りの世話をさせられていたという。

 聞き取りに応じた女性たちからは、レイプや身体的暴力の証言もあがった。首の回りに絞首刑に使う縄をはめられ、イスラム教に改宗しなければ殺すと脅された女性もいた。

 15歳の少女はボコ・ハラムの戦闘員との「結婚」を強いられ、自分はまだ結婚には早すぎると拒もうとしたところ、ボコ・ハラムの司令官の1人から「自分の娘は5歳だが去年結婚した」と言われ一蹴されたと証言した。(c)AFP