【10月24日 AFP】女子テニス界の伝説とされるビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏は23日、四大大会(グランドスラム)の賞金を男女同額にすることに不満を示す人がいることは「とても悲しい」と語り、男子選手は、女性コーチを招へいしたアンディ・マレー(Andy Murray、英国)の姿勢を見習うべきだと呼びかけた。

 女子テニス協会(Women's Tennis AssociationWTA)を設立したキング氏は、ATPツアーでも「オンコート・コーチング」を導入し、女子テニスを模倣すべきだとしている。

 キング氏は、WTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Championships - Singapore 2014)が行われているシンガポールで会見に臨んだ。この大会の最大獲得賞金は、オープン化以降、グランドスラムを8度制したキング氏の生涯獲得賞金を上回っている。

 グランドスラムの賞金を男女同額とすることに反対している男子選手に、意見してはどうかと質問されたキング氏は、「いいえ。それは難しいわ」と答えた。

「お分かりの通り、スポーツは社会の縮図です。世の中は今も男女不平等であることを示しています。良い気持ちはしません。それどころか、とても悲しいですね」

「娘がいる男性は、まだ理解を示してくれます。例えば、男の子と女の子がいる家庭では、子どもたちに平等な機会が与えられるべきだと考えているでしょう」

「でも、異なる文化では価値観も違います。その文化の通りになります。私たちが洗脳されている通りです。だから難しいのです。本当に本当に難しいのです。私たちは、物事を変えるように努力していかなければいけません」

 グランドスラムでは、男子が3セット先取なのに対し、女子は2セット先取となっている。男女同額の反対派は、同じ賞金のために男子の方が体力を消耗している点を強調している。