【10月23日 AFP】民主派デモへの支持を表明した香港(Hong Kong)の俳優やミュージシャンに対し、中国共産党傘下の青年組織でエリート養成機関の「中国共産主義青年団(共青団、Communist Youth League of China)」がボイコットや中国本土での活動禁止といった「制裁」を呼び掛けるインターネット投票を開始した。

 かつて英国領だった香港の活気あふれる芸能界で活躍する俳優や歌手たちの人気は、中国本土でも高い。しかし、俳優のチョウ・ユンファ(Chow Yun Fat)氏やアンソニー・ウォン(Anthony Wong)氏などがデモを続ける学生らへの支持を表明したと報じられる中、中国政府はこうした芸能人らを強く批判している。

 こうした中、共青団はマイクロブログでウォン氏や歌手・俳優のチャップマン・トウ(Chapman To)氏、デニス・ホー(Denise Ho)氏ら複数の香港芸能人を名指しし「あなたなら、どんな方法でこの無節操な芸能人たちに抗議するか」と呼び掛ける投票を開始。22日夕方までに25万人の回答を得た。

 抗議方法の選択肢は4つで、そのうち最も多くの票を集めているのは「『オキュパイ・セントラル(Occupy Central)』を支持する芸能人の中国本土での公演や出演作品上映を禁止する」というもの。次点が、「『オキュパイ・セントラル』を支持する芸能人が出演している作品は絶対に見ない」となっている。

 残る2つの選択肢は「ネット上から『オキュパイ・セントラル』を支持する芸能人の名前を一掃しよう」「『オキュパイ・セントラル』を支持する芸能人のマイクロブログアカウントを削除する」で、何もしないという選択肢はない。

「オキュパイ・セントラル」は、民主派学生らが続ける占拠運動のうち香港中心部のセントラル(中環)で行われているものを指す。

 共青団は将来の党幹部養成をめざした組織で、胡錦濤(Hu Jintao)前国家主席も所属していた。団員数は9000万人にも上る。(c)AFP