【10月23日 AFP】国際ボクシング協会(International Boxing AssociationAIBA)は22日、第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)女子ボクシングの試合で判定に抗議し、銅メダルの受け取りを拒否したサリタ・デビ(Sarita Devi、インド)に対し、出場停止処分を科したと発表した。

 これにより、デビは11月に韓国・済州(Jeju)島で開催されるAIBA世界女子ボクシング選手権(2014 AIBA Women's World Boxing Championships)に出場することができなくなった。

 AIBAは、今回の処分について懲戒委員会で再検討するとしており、アジア大会でインド選手団の団長も務めたデビのコーチに対しても、改めて通達されるまでAIBA公認の試合に参加することを禁止するとした。

 デビは、仁川(Incheon)で行われた同大会のライト級準決勝で、韓国のパク・チンア(Park Ji-Na)に対して圧倒的優勢とみられながら判定負けを喫すると、表彰式では涙を流して銅メダルの受け取りを拒否した。

 疑惑の判定負けとなった試合直後には、激怒したデビの夫が、審判に対して侮辱する言葉を浴びせながら激しく抗議し、乱闘騒ぎを起こすような醜態をさらす場面もあった。

 異様な雰囲気となった表彰式で、デビはメダルの受け取りを2度拒否すると、対戦相手となったチンアの首にメダルをかけた。その後、デビはアジアオリンピック評議会(Olympic Council of AsiaOCA)に対し、自らの行為について謝罪している。

 9月から10月まで韓国で開催された今大会では、数多くのボクシングの試合で母国選手に有利な判定が出され、抗議の声が上がっていた。

 モンゴルとフィリピンのボクシング選手もまた、採点方式をめぐって審判から疑惑の判定が出され、議論を呼ぶ形で負けている。

 仁川の大会組織委員会は、デビの行動に抗議したと同時に、AIBAに対して「試合でのフェアプレーの徹底」を求める書簡を送っていた。

 インドのスポーツ協会は、今回の出場停止処分について、まだ反応をみせていない。(c)AFP