■自分自身に正直に

 トランスジェンダーの人たちが軍に入隊できるようにするために重要なのは、教育だ。さらに、困難な決断をするこれらの人たちが、尊厳と安心感を持ってそれに臨むことができるようにすることも大切だ。こうした人たちに入隊を認めることで、軍の運用における有効性に影響が及んだということを示す事例はほとんどない。

 英空軍で平等と多様性の促進を担当するサラ・マスケル(Sarah Maskell)少佐は、「軍の容認方針が成熟したものになればなるほど、運用の面でも改善がみられることになるのは間違いない。個人的な問題を抱えずに、自分らしく偽りがない状態で職務に臨むことができるからだ」と説明した。

 さらに、討論に参加した人たちは、シャワーの共有や医療費などの問題は、一定の常識を働かせれば比較的対処が容易なものであるはずだと主張した。

 ニュージーランド軍で初めて在任中に女性になったルーシー・ジョーダン(Lucy Jordan)軍曹は、自身が上官たちから得た支援に感謝の気持ちを述べ、「ニュージーランド軍が私に与えてくれたもの、そして私たちが今ここにいる目的は何よりも、一組織が持つ最も大切なものである『人』への投資です」と強調した。(c)AFP/Jo Biddle