【10月19日 AFP】香港(Hong Kong)政府は18日、民主的な行政長官選挙の実施を求めて抗議行動を続けている学生の代表との対話を21日に行う予定だと発表した。大規模なデモによって一部の地区で都市機能がまひ状態に陥っている香港ではここ3日間、夜間に警官隊とデモ隊が衝突していた。

 香港政府ナンバー2の林鄭月娥(Carrie Lam、キャリー・ラム)政務官は記者団に対し、「現時点では、21日午後に対話を行いたいと考えている」と述べた。

 梁振英(Leung Chun-ying)行政長官は10日、デモ活動を組織している団体の一つ、香港大学生連合会(学連、Hong Kong Federation of StudentsHKFS)との対話を見送ると発表したが、その後方針を変え、対話に臨む姿勢を16日に示していた。

 生中継される予定の学生たちとの対話についてラム政務官は、双方から代表者が5人ずつ出席し、香港基本法(憲法に相当)の改正に関する問題を中心に協議すると説明した。

 しかし、民主派が主に要求している行政長官の辞任と2017年の民主的な行政長官選挙の実施で政府側が譲歩する可能性は低く、事態の打開につながる見通しは立っていない。

 中国政府は、次期行政長官選の候補者は、親中派が大半を占めるとみられる「指名委員会」が審査すべきだと主張している。梁行政長官は、中国政府がこの姿勢を変えることはないと指摘している。(c)AFP/Aaron TAM