世界の大富豪夫妻が駆け込む「離婚の都」ロンドン
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■誘因はもちろん「マネー」
ロンドンで裁判が行われる離婚のうち、英国人以外のものがどの程度なのか、確かな数字はない。しかし、デービス弁護士に舞い込む離婚訴訟の75%には、何らかの国際的要素が絡んでいるという。
離婚訴訟に英国が魅力的なのはどうしてか。法律事務所アーウィン・ミッチェル(Irwin Mitchell)のエリザベス・ヒックス(Elizabeth Hicks)弁護士は「簡単に言えば、マネー(金銭)だ」だという。
2000年のある画期的な判例を境に英国の裁判所は、財産分与の分配比について、5対5を前提とするようになった。これは夫婦のうち資産が少ない方に利するもので、英国で裁判した場合、多くの国と比べて数倍多い賠償を手にできるという。また、より裕福な側の資産を守るために交わされる婚前契約が、英国では法的拘束力を持たないことも外国人の離婚訴訟を増やす一因になっている。
英国の裁判所での離婚訴訟を望む外国人は、富豪ばかりではない。前月、長期間かかる自国の離婚手続きを嫌ったイタリアの夫婦179組が、英国で偽の住所を用意する業者を通じて離婚していたことが発覚し、離婚は取り消された。
離婚訴訟を専門とする弁護士にとっては、外国人の依頼主による収入増は歓迎だろう。しかし裁判官からは、英国の司法制度に負担がかかると苦言を呈する声も聞かれる。
17日、クー・カイ・ペン氏夫妻の裁判に関する決定を3時間にわたって読み上げたデビッド・ボーデイ(David Bodey)判事は、両者に「私が出せる力は出し尽くした」と嘆き、なるべく早く和解するよう促した。後に判事は「二人とも、一生かかっても使い切れないほどの資産を持っているのだから」と力ない声で語った。(c)AFP/Katherine HADDON