【10月18日 AFP】女子テニス協会(Women's Tennis AssociationWTA)は17日、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)/ヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)姉妹の性別に関する失言があったとして、ロシアテニス連盟(Russian Tennis FederationRTF)のシャミール・タルピチェフ(Shamil Tarpischev)会長に罰金2万5000ドル(約270万円)を科した。

 深夜のテレビ番組に出演したタルピチェフ会長が、両選手を「ウィリアムス兄弟」と呼んだとする情報が英語版のソーシャルメディアに出回っており、WTAのステイシー・アラスター(Stacey Allaster)最高経営責任者(CEO)は、17日の声明でこれを批判した。

「女子テニスの歴史上、最高レベルのアスリートである2選手について、シャミール・タルピチェフ氏がロシアのテレビ番組で発言した内容は、侮辱であり、品位を傷つけるものであると同時に、われわれの競技にはふさわしくないものでした」

 2万5000ドルは、WTAツアーの規則上科すことができる最高額の罰金だという。また、タルピチェフ会長には1年間WTAツアーでの活動を禁じ、今年度のクレムリン・カップ(Kremlin Cup 2014)の責任者を辞するべきだとしている。

 同大会は、すでにモスクワ(Moscow)で開幕している。

 アラスターCEOは、「WTAは、平等、機会、尊重を基本方針とする団体で、ヴィーナスとセレーナは、これらすべてを具現化する存在です」とし、「性別に疑問を投げかけるようなタルピチェフ氏の発言は、われわれの素晴らしい試合、そして2人のチャンピオンを汚すものです。彼の軽蔑に値する発言は厳しく罰せられるべきです」と怒りをあらわにした。

 タルピチェフ氏から個人的に手紙を受け取ったというアラスターCEOは、それを「はじめの一歩」と表現しているものの、ウィリアムス姉妹には、正式に謝罪すべきだと主張している。全米テニス協会(United States Tennis AssociationUSTA)のデビッド・ハガティ(David Haggerty)会長も、謝罪を要求している。(c)AFP