【10月15日 AFP】第一線で活躍する多くのスポーツ選手らは、成績不良に繋がる虫歯や歯周病などに悩まされているとの研究論文が、14日の英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)」に発表された。論文によると、口腔衛生に関する問題は、スポーツドリンク、高炭水化物食品やトレーニング法などに起因している可能性があるという。

【関連記事】「美しく白い歯」には栄養ドリンクやスポーツ飲料避けて 米研究

 北米と英国の専門家らによる今回の研究では、トップレベルおよびプロのスポーツ選手の口腔衛生に関するこれまでの研究報告39件について調査が行われた。

 その結果、虫歯は15~75%、また中度から重度の歯周病は最大15%、さらにエナメル質の侵食は36~85%のスポーツ選手に影響を与えていることが明らかになった。また今回の研究では、2012年のロンドン(London)五輪開催時の調査結果も調査の対象となっており、この調査では、過去1年に歯医者を受診していないと応えたスポーツ選手が全体の46.5%に上っている。

 研究論文の共同執筆者で英ロンドン大学(University College London)イアン・ニードルマン(Ian Needleman)教授は、口腔衛生に関する問題は、痛みや炎症を引き起こすだけでなく、睡眠や食事に影響を及ぼし、競技への自信を失わせることもあると述べた。

 今回発表された論文によると、スポーツ選手は、食事制限や練習からの大きな圧力に直面しており、それが歯への負担となって表れているという。

 唾液は歯を守る上で効果があるため、激しい運動による脱水症状は、口腔の健康不良を増加させる可能性がある。ニードルマン教授は、「口腔の健康への危険があることと、それは簡単な方法で抑制できることを知って欲しい。例えば、単純な脱水症状には水かハイポトニック飲料が適しており、また歯磨きの後は(水で)すすがずに、吐き出すだけにすることなどだ」と述べている。(c)AFP