■「完璧なパリジェンヌ」の神話「壊したい」

 パリ市内のカフェで取材に応じたド・メグレさんは、見るからに完璧な「おしゃれなパリジェンヌ(パリの女性)」の典型だ。だが、そんな彼女によれば著書の目的は、型にはまったパリっ子のイメージを助長することではなく、壊すことだという。

 執筆のきっかけは、海外を訪れるたびにパリの女性について質問攻めに遭う自分の経験だそうだ。「世界中で、パリの女の子ってどうなの、と聞かれた。みんな、これしか質問してこなかった」

 ド・メグレさんはまた、家事と仕事に忙しくストレスを抱えた現代女性たちにとって、同書が自己啓発書になればいいとも考えている。「今の女性たちには大きなプレッシャーがかかっていると思う。だから、これは軽く読める本だけれど、フェミニズム的な要素もある」

 要するに「完璧なパリジェンヌ」という神話を崩したいのだと、ド・メグレさんは語った。「料理ができて、子育ても完璧で、素晴らしくスタイリッシュな女性なんて、ステレオタイプにすぎない。これらを全て兼ね備えた女性になれると思うのは、ただの幻想」

「どれか1つを身に付けた女性にはなれるけれど、一度に全部は無理。そんな理想は捨てなさい、と諭すのがこの本」と話したド・メグレさん。「自分は何者なのか」を見極め、その個性を意識を集中すれば「他のことをする時間ができる」と、世の女性たちにアドバイスしている。(c)AFP/Helen ROWE