【10月14日 AFP】スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は13日、2014年のノーベル経済学賞(Nobel Prize in Economics)を、大企業の規制に関する研究を行ったフランスのジャン・ティロール(Jean Tirole)氏(61)に授与すると発表した。

 選考委員会はトゥールーズ第1大学(Toulouse 1 Capitole University)教授のティロール氏を、「今日最も影響力のある経済学者の一人」と位置付け、「とりわけ寡占状態にある産業の理解・規制という面での貢献」が認められたとしている。

 これで今年フランスにもたらされるノーベル賞は、先週パトリック・モディアノ(Patrick Modiano)氏に授与されると発表されたノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)に続き2つ目となり、これまでバッシング続きだった同国にとっては朗報となった。

 一部企業が巨額の富を手にする一方で一般消費者が不利益を被ることのないよう巨大企業を規制していくことは、昨今ますます大きな課題と捉えられている。特に世界的な金融危機を引き起こしたのが一握りの大手銀行だったこともあり、各国の政策決定者にとってこの複雑な問題は優先順位の高い課題になっている。

 受賞の報にティロール氏は、「銀行業界は規制が非常に難しく、われわれ経済学者はこの課題にさらに取り組んでいくべきだ」と語った。同氏には、賞金800万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)が贈られる。(c)AFP/Hugues HONORE