■外国人を招いてレベルアップ

 寧夏回族自治区は12年、専門技術の習得を目的に、フランス、スペイン、オーストラリア(2人)、チリ、南アフリカ、米国から7人の生産者を招いた。そのうちの1人、フランス・ドルドーニュ(Dordogne)県シャトー・モンバジャック(Chateau Monbazillac)の生産者、ブノワ・ベニエール(Benoit Beigner)さんは2年前に初めて寧夏を訪れた。ベニエールさんの指導のもと、寧夏のシャトー・バッカス(Chateau Bachus)はかんがい設備からブドウの栽培、ワインの醸造工程まで、あらゆる面で大変革を遂げた。

 寧夏回族自治区の曹凱竜(Cao Kailong)ブドウ・花き産業発展局長は、新たに60人のワイン生産者を2年間、寧夏に招くと発表。「コストは政府が負担する。生産したワインの半分はそれぞれの出身国に輸出する予定だ」という。

 だが、AFPが取材した醸造業者の多くは、寧夏産ワインの流通量は依然として少ないと不満を漏らす。寧夏産ワインは需要が高い一方で、生産量が限られているため中国の大都市で見つけるのは難しく、輸出もほとんどされていない。

 寧夏産ワインはこの3年で、英ロンドン(London)の国際ワインコンクール「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards)」で賞を取る銘柄も出るなど国際コンクールで認められるようになってきたが、世界市場に受け入れられるまでの道のりは長い。

 中国のワインの専門家タン・リヤン(Tang Liyan)さんは「米カリフォルニア(California)州のナパ・バレー(Napa Valley)やオーストラリアのバロッサ・バレー(Barossa Valley)のようなワイン名産地として知られるにはもっとマーケティングをやる必要がある」と指摘した。(c)AFP/Sebastien BLANC