【10月10日 AFP】数年前までほとんど知られていなかったが、中国の寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)は今や中国有数のワイン産地だ。そして生産者はさらに上を目指そうとしている。

 9月下旬に北京(Beijing)で開かれたワインのテイスティング会では寧夏産のワイン約50種が審査され、参加者はその質は上がっていると口をそろえた。

 中国ワイン市場の専門家で、テイスティング会にも参加したマーカス・フォード(Marcus Ford)さんは「10~12年前は、中国産ワイン60種を試飲したうちに人に薦められるのが5~10種あれば上出来だった。それが今回は、試飲した47種のうち半分以上、恐らく6~7割が薦められるワインだった」と話した。

 専門家によれば、寧夏回族自治区の自然環境はぶどう栽培に適しているという。中国ワインのブログ、グレープ・ウォール・オブ・チャイナ(Grape Wall of China)の開設者で、上述のテイスティング会の主催者の一人でもあるジム・ボイス(Jim Boyce)さんは、「西には風を遮る山があり、東にはかんがいのための黄河(Yellow River)がある。土壌や日照にも恵まれているし、ぶどうの生育にふさわしい昼夜の温度差もある」と説明する。

 わずかな人口のほとんどをイスラム教徒の回族が占める寧夏回族自治区政府は、中央政府から大規模な投資を受け、こうした自然環境を生かしてきた。域内総生産(GDP)は依然として国内最低水準にあるものの、2000年に同自治地区内で初めて植えられたブドウの木が地域の経済に待ち望んでいた成長をもたらし得るという手応えを自治区政府は感じている。