■数日かけて磨き上げる

「WC」は、地下鉄駅「クラッパム・コモン(Clapham Common)」のビクトリア様式のトイレを改装したものだ。元からあるモザイク模様の床とタイル張りの壁はそのまま残し、木造部分はテーブルなどに改造している。古い便器は、新しいトイレのインテリアとして残されている。

「WC」の店内にいたフィリップさん(35)は、元からあるものを利用することは「その場所をさらに魅力的にする」、「居心地のいい感じを与えるし、匂いはもうない。いいことずくめだ。気に入ったよ」と話した。

 昼はレストランで夜はバーになる「コンビニエンス」のオーナーのケイティー・ハリス(Katie Harris)さんは、複数の磁器の便器を木製のカウンターテーブルの支えに利用している。あまりに変色した便器は撤去されたが、それ以外の便器は、ぴかぴかの白い磁器が現れるまで数日かけて磨き上げられた。

 デザイナーでもあるハリスさんは、魅力的な賃貸料もさることながら、職業的な挑戦のためと1940年代の簡素な建築のためにこの場所を選んだという。(c)AFP/Ouerdya AIT ABDELMALEK