■愛国心と男らしさ

 ザルドスタノフさんはAFPに対し、「俺たちは自分たちのことをロシア軍の一部だと思っている」と話す。

 ナチヌイエ・ボルキはロシアで何らかの公式な団体として認定されている訳ではないが、必要とあらばどこにでも駆けつけ、そして愛国的なパフォーマンスを繰り広げる。

 彼らは今年3月、ロシアに併合されたクリミア(Crimea)半島で、併合の支持を訴える大規模な集会を開いた。またウクライナ東部のルガンスク(Lugansk)では、同国からの分離を求める親ロシア派を支持するパレードも行っている。

 ベネシュさんは「国を愛することで男は強くなる。メンバーは愛国心を示すことが絶対不可欠だ」と話す。その一方で「ロシア人が最も優れていると信じているわけではない。誰でも自分の母国に対して愛国者であり得るんだ」と付け加えた。

 ナチヌイエ・ボルキは旧ソ連構成国出身のメンバーも歓迎し、その宗教も問わない。正教会(Orthodox)の信者が大多数を占めるとはいえ、イスラム教徒もメンバーとして迎えているという。

 また、メンバーの職業も、車の修繕工からビジネスマンまで多岐にわたり、なかには修道士も数人含まれている。

「誰でも自由に参加できる。ただし女性を除いては」と話すベネシュさんは、「チームが設立された当時、ここは男らしさの象徴、男であることを示す場だったからね」と説明してくれた。