愛国心がモットー、露バイク集団「夜の狼たち」─アーバントライブ(1)
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【10月10日 AFP】日没を迎えたロシアの首都モスクワ(Moscow)で、レザージャケット姿で大型バイクにまたがり、長い髪をなびかせて市内を走る「ナチヌイエ・ボルキ(夜の狼たち、Night Wolves)」──ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、愛国心を前面に掲げるこのバイカー集団のメンバーを「兄弟」と呼ぶ。
20年にわたりメンバーとして活動し、現在はグループのナンバー2となったアレクサンドル・ベニシュ(Alexander Benish)さんは、「俺たちが掲げる価値は極めて単純だ。母国を愛せ、信仰を持て、麻薬を売買するな、それだけだ」とナチヌイエ・ボルキについて説明する。
そして、米国の有名なバイカー集団「ヘルズエンジェルス(Hell's Angels)」と同列に語られることを断固拒否し「奴らの生き方は反社会的なものだ。ビールを飲み、ガラスを割り…。文句を言う奴がいたら叩きのめすだけ」と話した。
旧ソビエト連邦崩壊直前の1989年に創設されたナチヌイエ・ボルキは、ロシアやかつてのソ連の構成国に勢力を拡大し、現在所属するメンバーは約5000人程に上るとみられている。
グループでリーダーを務めるのは、あごひげを生やし、屈強な体の持ち主のアレクサンドル・ザルドスタノフ(Alexander Zaldostanov)さん。世間では「外科医」の愛称で通っている。ザルドスタノフさんは、ナチヌイエ・ボルキの愛国的な姿勢を頻繁に称賛するプーチン大統領のかたわらでバイクに乗り、官製パレードに参加したこともある。