【10月7日 AFP】第98回ジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)の主催者は6日、2015年大会のコースがバランスの取れたものになったことを明かし、ツール・ド・フランス(2015 Tour de France)との2冠もあり得るだろうと話した。

 モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana)が優勝した第97回ジロ・デ・イタリア(2014 Giro d'Italia)は、山岳ステージでの戦いが見所になったが、第98回大会では、これが5つに減ると、中級山岳ステージが7日、平坦ステージが7日になり、チームと個人タイムトライアルのステージが1つずつ設置されている。

 ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアでダブルツールを達成した最後の選手は、1998年の故マルコ・パンターニ(Marco Pantani、イタリア)氏だが、ツール・ド・フランスで2度の総合優勝を経験しているチーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)や、第96回ジロ・デ・イタリア(2013 Giro d'Italia)と2014ツール・ド・フランス(2014 Tour de France)を制したアスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)らが、これを達成したいと意気込んでいる。

 レースを統括するディレクターは、ステージ間の長距離移動を少なくするよう心がけたことを明かしている。

「リカバリーのための時間を確保したことで、ジロとツールの2冠が可能になりました」

 コースを確認したコンタドールは、「このルートが気に入った。積極的なレースを求める選手に適している」と評した。

 59キロに及ぶ第14ステージの個人タイムトライアルについて、2008年大会覇者のコンタドールは、クリス・フルーム(Chris Froome、英国)のような選手に有利に働くと考えているようだ。

「今回のジロが誰に適しているのか、判断するのは難しい。天候とレース展開によるところが大きい」

「5月のレースと7月のレースはまったく違う。机上の計算では、クリス・フルームのような選手に適しているんじゃないかな」

 また、今大会では標高2200メートルを超えるコースがなく、第20ステージで迎える2178メートルのコッレ・デッレ・フィネストレ(Colle delle Finestre)が最高地点となる。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)の元王者で、2015年2月に現役引退することを表明したカデル・エヴァンス(Cadel Evans、オーストラリア)は、「よりバランスの取れたジロだと思う。天候のリスクがあるものすごく厳しいステージや、超級山岳などが少なくなった」と2015年のコースを評した。

 ステージ間の移動距離が減ったことについて、エヴァンスは「物事が単純に進む。エネルギーが温存でき、集中力が高まることで、タフな試合が可能になり、選手、観客、メディアにとって、面白いレースができる」とコメントしている。

 コース発表のプレゼンテーションには、コンタドールの他にも、前回大会で総合2位に入ったオメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)のリゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran、コロンビア)、UCIロード世界選手権大会(2014 UCI Road World Championships)のエリート男子ロードレースを制したポーランドのミハウ・クフィアトコフスキー(Michal Kwiatkowski)らが参加した。(c)AFP/Justin DAVIS