【10月6日 AFP】ブラジルで5日に投開票が行われた総選挙で、名前が気難し屋を意味するコメディアンのチリリカ(Tiririca)氏が得票数が2位となる100万票を集め、見事再選を果たした。

 チリリカ氏が初当選したのはサンパウロ(Sao Paulo)から立候補した2010年のことだ。「これ以上、悪くなりようがない」とのスローガンを掲げ、最多得票で当選した。この時、まだ読み書きができなかったチリリカ氏の議員としてのスタートは、自分の名前を書けるようにすることだった。

 それから4年、チリリカ氏は議会での発言こそなかったが、下院で優良な出席率を誇った。

 チリリカ氏の成功には、抗議デモが噴出する一方、ブラジルでは立候補にあたって好きな候補者名を名乗れることから、多数の悪乗り候補者も生み出した。

 5日の選挙では、「バラク・オバマ(Barack Obama)」が5人、「ビン・ラディン(Bin Laden)」が3人に「イエス(Jesus Christ)」「ワンダーウーマン(Wonder Woman)」「ブラジルの007(Brazilian 007)」らが出馬していた。

 こうした候補者が増える現象について政治評論家らは、中南米最大の民主主義国家であるブラジルでまん延する汚職疑惑や政治の行き詰まりにへきえきしていることの表れだと指摘している。(c)AFP