【10月6日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が進撃を続けるシリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)付近で5日、町を守るクルド人勢力の女性戦闘員が、同組織を標的とした自爆攻撃を決行した。

 英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、女性戦闘員は町東方の「イスラム国」陣地で自爆した。複数の死者が出たもようだが、正確な死傷者数は不明という。「イスラム国」側が戦略として用いてきた自爆攻撃をクルドの女性戦闘員が行った例は初めてとされ、「イスラム国」の進撃を阻止するとのクルド人側の固い決意を示している。

 トルコとの国境に接するアインアルアラブは、国際社会の「イスラム国」掃討の重要な戦闘地となっている。同監視団によると、「イスラム国」は4日夜、町を望む戦略的な要所となる丘陵地帯の一部を掌握したが、米国とアラブ諸国による新たな空爆の実施により、進撃の勢いは弱まっている。だが、町の当局者は、「イスラム国」は町からわずか1キロの地点まで迫っており、空爆だけでは進攻を防げないと話している。(c)AFP/Fulya Ozerkan with Sara Hussein