【10月6日 AFP】(記事更新)14F1第15戦日本GP(Japan Grand Prix 2014)は5日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が、雨に見舞われ赤旗で終了した波乱のレースを制した。

 しかしながらハミルトンの優勝は、雨でレースが打ち切られるなか、意識不明で病院へ緊急搬送されたマルシャ(Marussia F1 Team)に所属するジュール・ビアンキ(Jules Bianchi)の事故で、陰に隠れてしまった。

 ハミルトンは、レース29週目に内側を走行していた最強のライバルでチームメートのニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)を抜き去ると、鈴鹿で初勝利を飾った。

 残り4戦となった総合争いでは、首位のハミルトンがロズベルグとの差を10ポイントに広げた。

 レッドブル(Red Bull)に所属する世界王者のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は3位に入った。

 台風に襲われた決勝では、セーフティーカーの先導でレースが開始されると、数分後にはドライバーがピットに戻される事態となった。

 そして、ビアンキがコースアウトした44週目に再びセーフティーカーが導入されたが、さらに雨脚が強くなり雷が立て続けに鳴り響き始めて2周後に中断された。

 すでにビアンキの衝突事故のニュースが伝えられ、表彰台は祝福ムードにはならなかった。

 レースが突然打ち切られたのは、タイヤバリアに衝突したザウバー(Sauber)に所属するエイドリアン・スーティル(Adrian Sutil)のマシンを撤収していたリカバリー車両にビアンキが衝突したためで、即座にセーフティーカーが導入されると、レースは7周早く終了となった。

 同じコーナーでコースアウトし、ビアンキのクラッシュを間近で目撃していたスーティルは、「あのコーナーで、アクアブレーンしてしまったんだ」と明かし、「どんどん雨脚が強くなって、視界が悪くなっていった。1周後にジュールがやってきて、同じ場所でスピンしてしまったということだ。ほとんど同じような事故だったけれど、結果は違った」と語った。

 1コーナーで外側から果敢にロズベルグを抜き去り、今季最高のオーバーテークの一つを演出した2008年シーズンの王者ハミルトンは、今季8勝目で通算30勝目を飾っている。(c)AFP