【10月3日 AFP】ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子配列の研究から、同ウイルスの起源が1920年代のコンゴ民主共和国の首都キンシャサ(Kinshasa)にさかのぼることが示されたとする研究論文が3日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)を引き起こすHIVは、当時の列車輸送や売買春を背景に大陸全土に拡散し、最終的には世界的にまん延した。これまでの感染者は約7500万人、うち3600万人が死亡している。

 英オックスフォード大学(Oxford University)のオリバー・パイバス氏(動物学)らが参加した国際研究チームは、異なる時代および場所で採取されたHIV-1グループM(サブタイプ)の遺伝子配列を数百件調べた。その結果、グループMの共通先祖が、キンシャサで1920年頃に出現した可能性が「非常に高い」ことを突き止めた。

 霊長類や類人猿から人間へのシミアンウイルスの感染は、これまでに少なくとも13回起きているが、そのうちのわずか1回が現在のHIV-1グループMの流行につながったとされる。(c)AFP