■大きなリスクは回避

 ドバイのレースと同等にジャスタウェイの調子は良いと語る福永が、難航コースのロンシャン競馬場で実戦を積んだ一方で、須貝調教師ともう一頭の日本馬で3歳の牝馬ハープスター(ハープスター)を担当する松田博資(Hiroyoshi Matsuda)調教師は、前例に習わず9月初旬の前哨戦にそれぞれの馬を出走させなかった。

 須貝調教師は、凱旋門賞への準備について、オルフェーヴルの調教師を務める池江泰寿(Yasutoshi Ikee)氏に相談したが、選択肢として考えていないと述べ、助言とはまったく違う方法を選んだ。

 自身も騎手として活躍した経験を持つ須貝騎手は、「ジャスタウェイは、長い休養を取ったあとは通常調子が上がるので、6月の最後のレース以降は走らせなかった。凱旋門賞までの期間が短すぎるフォワ賞(2014 Prix Foy、芝2400メートル)で走らせることは、リスクが大きすぎると考えた」と述べた。

「ゴールドシップは、ここに来る前に前哨戦(ハープスターに次ぐ2着となった8月24日の札幌記念)に出走しているし、一頭だけ早く現地に送って一緒に育った馬と分けることはしたくなかった。2頭は、2歳の時から一緒に馬小屋で育っていて、同じ管理法で調教されている」

 ドバイでみせたパフォーマンスで、ジャスタウェイが凱旋門賞の距離も走り切れる自信を持ったと話す須貝調教師は、池江調教師が2度の凱旋門賞でオルフェーヴルにしたように、なぜ福永を欧州の騎手に代えることを考えなかったのかという質問に少しイラ立ちをみせた。

 須貝調教師は、「私は日本人であり、馬も馬主も日本出身だ。私は100パーセント、日本のチームで臨みたい」と述べた。

 一方、2007年にアドマイヤムーン(Admire Moon)、2011年にブエナビスタ(Buena Vista)で日本最高峰のレースであるジャパンカップ(Japan Cup)を制し、経験豊富で策士として知られる松田調教師は、9月29日にフランスへ到着したばかりではあるものの、状況には満足している。

 松田調教師は、満面の笑みを浮かべて、「すべて順調で、日曜日の喝采を待つだけだ」と述べた。(c)AFP/Pirate IRWIN