【10月2日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は1日、実名以外でのアカウント登録を認めない同サイトの規定に反発したドラァグクイーン(女装パフォーマー)らがサイト退会などの抗議行動に出たことを受け、謝意を表明するとともに、同規定を緩和する方針を明らかにした。

 同規定をめぐる抗議の声は、同性愛者コミュニティーを超えて広まっており、米サンフランシスコ(San Francisco)では2日、同社に対する抗議活動が予定されていた。

 同社幹部とLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の代表者らはいずれも、双方が容認し得る解決策を見出したと表明。今後はフェイスブックへの登録の際、確認の上で仮名を使用することが認められるようになると明らかにした。

 同社のクリス・コックス(Chris Cox)製品担当副社長はブログへの投稿で、抗議の声を上げていた人々のような正規ユーザーの「信頼性を確認」するためのツールを用意すると説明。「ドラァグクイーンやドラァグキング、トランスジェンダーの皆さんをはじめ、私たちの友人や隣人、LGBTの皆さんに対し、この数週間にわたって皆さんのフェイスブックアカウントの利用についてご迷惑をおかけしてきたことをお詫びします」と述べた。

 副社長によると、今回の騒動の発端となったのは、フェイスブックのある会員から同社に対して数週間前、ドラァグクイーンの人たちが作成した数百件のアカウントで偽名が使用されているとの報告があったことだった。

 ステージネームで登録しているアカウントの停止を警告されたドラァグクイーンたちは、抗議運動を展開。次第に大きな注目を集め、実名の使用を避けたい家庭内暴力の被害者など多くの人が加わった。

 支援団体「トランスジェンダー法律センター(Transgender Law Center)」のマーク・スナイダー(Mark Snyder)氏はAFPに対し、仮名での登録はドラァグクイーンにとどまらず、判事や社会福祉関係者、教師、芸能人、虐待被害者など、幅広い人たちが希望していると指摘している。(c)AFP/Glenn CHAPMAN