【9月30日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)を率いるルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は、チームが開幕から絶好調であっても、やがて失速した時に批判を受ける心構えは既にできている。

 バルセロナは、リーグ開幕から全6試合で無失点の5勝1分けとしており、2週間前に行われた欧州チャンピオンズリーグ2014-15(UEFA Champions League 2014-15)グループFの初戦でも、1-0でキプロスのアポエル・ニコシア(APOEL Nicosia)に勝利した。

 しかし、敵地パリ(Paris)で迎えるチャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)戦がこの夏バルセロナの指揮官に就任して以来最大の試練となるエンリケ監督は、チームに対するメディアの注目が集まるほど敗戦した時の批判は免れないことを覚悟している。

 守備陣の入れ替えが激しい中でも、無失点記録を続けていることについて尋ねられたエンリケ監督は、「われわれの守備陣は、全員が優秀であり、才能ある選手たちがそろっている」と述べた。

「すぐに得点を許すようなことがあれば、それは布陣をローテーションしている私の責任だ」

「それがサッカーだ。私は自分がどこにいて何の仕事をしているのか分かっているが、チームにとって最も公平で最良の策を考慮しながら続けていく」

 30日のチャンピオンズリーグの試合では、リーグ戦で正GKを務めているクラウディオ・ブラーボ(Claudio Bravo)の代わりに、マルクアンドレ・テル・シュテーゲン(Marc-Andre ter Stegen)が再び先発で起用されるとみられている。また、6-0で大勝したグラナダ(Granada CF)戦を欠場したジェラール・ピケ(Gerard Pique)とジョディ・アルバ(Jordi Alba)もディフェンスラインへの復帰に備えている。

 故ティト・ビラノバ(Tito Vilanova)前監督が指揮を執っていた2012-13年のチャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)準々決勝第1戦で、2-2でPSGと引き分けながらもアウェーゴールの差で4強入りしたバルセロナは、その試合も含めて29試合続くPSGのホーム連続無敗記録を断ち切ることを狙っている。

 現バルセロナの指揮官は、「2シーズン前のことはあまり覚えていないが、その試合は見ていたと思う」と述べた。

「PSGは、われわれの競争相手になるチームであり、われわれを倒しにくるだろう」

「その実力があることは間違いないし、その才能がそろっている。PSGは、チャンピオンズリーグの優勝候補の一つだ」

 現役時代の1996-97シーズンに、ボビー・ロブソン(Bobby Robson)政権下のバルセロナで、現PSGのローラン・ブラン(Laurent Blanc)監督とチームメートだったエンリケ監督は、ズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)の欠場は何も影響しないと主張した。

「ズラタンが出場しようとしまいと、われわれにとっては何も変わらない。彼の不在はどのチームにいようとも大きな戦力ダウンだが、それでもPSGは恐ろしくて危険な対戦相手だ」

 スウェーデン代表のイブラヒモビッチは、直近の2試合では負傷したかかとの治療のため戦列を離れていたが、その回復が思わしくないとして、古巣のバルセロナ戦も欠場することになった。(c)AFP/Andy SCOTT