【9月26日 AFP】フランス政府は25日、16歳未満の若年層の高い喫煙率を引き下げるため、無地のたばこ包装デザインを導入し、特定の公共の場での電子たばこの使用を禁止する計画を発表した。

 マリソル・トゥーレーヌ(Marisol Touraine)仏保健相は、若年喫煙者が喫煙に対して感じる魅力を減らすために、オーストラリアでの成功例にならい、たばこの包装を「同じ形、同じ大きさ、同じ色、同じ活字」にすると述べた。

 同保健相は「フランスでは、成人1300万人が日常的に喫煙しており、状況はさらに悪化している。喫煙者の数は、特に若い人々の間で増加している」と指摘。「わが国では毎年7万3000人がたばこによって死亡しており、これは200人搭乗した飛行機が毎日墜落事故を起こしていることに相当する。こうした事態は容認できない」と付け加えた。

 フランスは欧州諸国の中でも、16歳未満の喫煙率が高い国となっている。トゥーレーヌ保健相は、包装を無地にする対策に加え、12歳未満の子どもがいる遊び場や自動車の車内での喫煙を禁止する方針も合わせて発表した。

 オーストラリア政府は2012年、すべてのたばこを同一の、オリーブと茶色の包装デザインで販売する措置を断行。包装には同じ書体の活字が印刷され、健康への害を示す生々しい画像がほぼ全面に掲載されている。たばこ会社各社はこの措置に異議を唱えているものの、専門家らは消費抑制の一助になっていると評価している。

 またトゥーレーヌ保健相は、非常に人気が高い電子たばこを特定の公共の場所で使用することを禁止すると発表。同保健相は電子たばこに従来のたばこよりも優れた点があることを認めた上で、「喫煙したことがない若い人にとって、電子たばこは喫煙への入り口になる恐れがある」と強調した。

 学校などの若い人々が集まる場所や公共輸送機関、閉鎖環境にある仕事場などでの電子たばこの使用は禁止される。さらに、電子たばこの広告は、2016年5月より販売場所や業界誌上を除き全面的に禁止される予定だ。(c)AFP