【9月26日 AFP】地球上にある水の最大半分は、太陽系よりも古い可能性が高いとの研究論文が25日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。天の川銀河(Milky Way)内の地球以外の星にも生命が存在する可能性を高める研究結果だ。

 今回の研究により、地球上に存在する水のうちの「かなりの割合」が星間空間に由来し、約46億年前の太陽の形成以前に存在していたことが明らかになった。

 地球にある水がどこに由来するかは、水分子に含まれる水素と重水素(水素の重同位体)の割合を調べることで判別できる。星間空間に由来する水や氷は、非常に低温の状態で形成されるため、水素に対する重水素の比率が高くなる。

 だが、太陽が誕生する過程でどの程度の量の重水素が除去されたかや、太陽系の誕生時にどの程度の量の重水素に富む水や氷が生成されたかについては、これまで科学的に解明されていなかった。

 英エクセター大学(University of Exeter)などの研究チームは、星間空間の氷に由来する重水素がすべて除去されたとの条件の下で、惑星の起源に関するシミュレーションを行った。

 その結果、この条件下では、隕石(いんせき)のサンプルや地球の海水でみられる水素対重水素の比率には至らないことが分かった。

 この結果は、太陽系に存在する水の少なくとも一部が太陽系外の宇宙空間に由来することや、地球上の生命の必須要素である水が太陽系に特有のものではないことを示唆している。

 論文の共同執筆者の一人、エクセター大の物理・天文学部のティム・ハリーズ(Tim Harries)氏は「今回の成果は、他の惑星にも生命が存在するかどうかを解明するための探究における重要な前進だ」と述べている。

「これは、生命が進化するのに適した条件や水資源が一部の系外惑星に存在するかもしれない可能性を高める結果だ」(c)AFP