【9月26日 AFP】韓国で開催されている第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)で25日、問題児としても有名な中国競泳男子の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)が、日本の国歌を「耳障り」だと批判する発言をしていたことが明らかになった。

 2012年のロンドン五輪で2冠を達成した孫は、24日に行われた4×100メートル自由形リレー決勝で母国に金メダルをもたらした喜びを中国メディアに語っていたが、やがて外交的対抗心をむき出しにした。

 AFPが入手した中国語音声の中で孫は、「中国人は今夜、怒りを吐き出した」という内容のコメントをしている。

「正直に言うと、日本の国歌は耳障りだ」

 孫の問題行動は今回が初めてではなく、2013年には無免許でポルシェ(Porsche)を運転し、バスとの接触事故を起こして警察に拘束され、6か月の出場停止処分を受けている。

 中国水泳界の悪童である孫は、以前にも航空機の客室乗務員との交際を反対され、公衆の面前でコーチと大げんかする騒動を起こしている。

 今大会の競泳では、競技2日目まで日本勢が幸先の良いスタートをみせると、怒りを募らせた中国水泳チームの関係者が、記者会見場を後にしようとしていた萩野公介(Kosuke Hagino)に座れと命令する一幕もあった。

 中国はその後、24日の競技終了までに金メダル15個を獲得しており、日本の8個を上回っている。

 その一方で、孫は五輪に続いて400メートル自由形を制したものの、200メートル自由形では萩野に敗北を喫した際に親指を負傷する失態を演じ、リレーでは第3泳者への変更を余儀なくされている。

 1500メートル自由形の五輪金メダリストで、世界記録を保持している孫は、「まだ手は痛むけれど、1500メートル自由形が残っている」と述べた。

「1番手として泳ぎ、スタートで勢いに乗れていなければ、(リレーでは)大きな影響が出ただろう。だけど、コーチは僕を3番手に回して重圧を軽減してくれた」

「今はスピードが伸び悩んでいるが、重圧は軽くなってきた。リレーでは日本にリードしてバトンタッチできたから、寧沢濤(Zetao Ning)なら焦らずにスピードを生かして勝ってくれると思っていた」

(c)AFP