【9月29日 AFP】米カリフォルニア(California)州の日差しと快適な気分に後押しされ、太陽光発電のファミリーカーがロサンゼルス(Los Angeles)からサンフランシスコ(San Francisco)までのドライブを完走した。

 カリフォルニア州のパシフィック・コースト・ハイウェイ(Pacific Coast Highway)を北上する旅の中、大勢の通行人を驚きの顔で振り向かせてきたソーラーカー「ステラ(Stella)」の製作者たちは今、いつの日かこの未来的なデザインの自動車が日常的な光景になることを夢見ている。

 くさび形をした軽量のステラは、一回の充電で500マイル(約800キロ)を走行でき、日照があればもっと先まで走ることが可能だ。時速は80マイル(約130キロ)まで到達する。

 ステラを設計、製造したのはソーラーチーム・アイントホーフェン(Solar Team Eindhoven)のマネジャーを務めるレックス・ホーフスルート(Lex Hoefsloot)さんら、オランダのアイントホーフェン工科大学(Eindhoven University of Technology)の学生たち。

 学生たちの始めた企画はやがて大学を挙げてのプロジェクトとなり、2013年にはオーストラリアを縦断するソーラーカーレース「ワールド・ソーラー・チャレンジ(World Solar Challenge)」で優勝した。

■自動車が自動車や信号機と「会話」する未来

 ステラは米デトロイト(Detroit)で9月初旬に開催されたITS世界会議(Intelligent Transportation Society World Congress)を皮切りに米国ツアーを開始した。

 チームはサンフランシスコまでドライブし、スポンサーのオランダ企業NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)と合流して、自動車が自動車同士や信号機と「会話」することで道路交通の安全性が高まり汚染も減るという未来像がテーマのイベントに参加した。

 公道仕様の4人乗りのステラはサンフランシスコのオランダ領事公邸前に停車し、ステラと情報を交換する設備が搭載されたテスラ・モーターズ(Tesla Motors)の電気自動車(EV)の前に車を寄せた。