【9月22日 AFP】2017年に行われる香港(Hong Kong)行政長官選挙をめぐり、中国政府が事実上の民主派排除といえる方針を示したことに対し、香港では22日、大学生らが抗議の意思を示すために1週間に及ぶ授業のボイコットを開始した。

 中国の全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代、国会に相当)常務委員会は8月、17年に行われる香港行政長官の次期選挙について、中国政府寄りの「指名委員会」が選んだ2~3人の候補者以外の立候補を認めない方針を示している。

 高度の自治権を認められている香港では、民主派の団体「オキュパイ・セントラル(Occupy Central、中環を占拠せよ)」を先頭とする民主派連合が、この中国の方針を「偽りの民主主義」と批判し、香港の金融街・中環(Central)の封鎖などを含む抗議を行うと警告している。

 香港の学生グループらが22日に開始した授業のボイコットは、この連合に参加する勢力の中で初めて一連の抗議から直接行動へと動いたものとなった。

 香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)のキャンパスでは22日朝、様々な大学から学生らが集まり、黄色い共通のリボンを身に着けて、所属する学部の旗を振りかざした。

 最近、民主的自由の拡大を主張する学生たちが数多く集まっていた同大のキャンパスには、1989年の天安門(Tiananmen)事件の際に学生たちが製作し、武装鎮圧で破壊された「民主の女神像(Goddess of Democrac)」のレプリカがある。

 香港の学生運動は、12年に行政府が「親中」的な内容の「国家教育」カリキュラムを導入しようとした際、抗議運動の前面に立ってこれを撤回させた。

 しかし、共産党政権の一部は香港の民主化運動を国家全体の統治に対する潜在的脅威とみなしており、政府側に譲歩する気配はない。(c)AFP/Aaron TAM