動物園を訪問中に突然、耳障りな鳴き声が聞こえた。ジュリーが助けを呼ぶ声だ。毛布の中で夜を過ごせるように、より居心地の良い檻に入れてくれた飼育員が姿を消したため、不安にかられていた。

 ジュリーの飼い主は、エボラ出血熱に対する恐怖心から何度も苦情を言ってくる隣人からの圧力に耐えられなくなり、泣く泣くジュリーを動物園に引き渡したという。

 ソロさんによると、隔離区域のスペース不足と動物園の厳格な規定順守のため、同園はすでに約10頭の受け入れを拒否した。その代わりに、隔離区域が拡張されるか、スペースに空きがでるまで、飼い主がペットのサルの飼育を継続できるようアドバイスしている。

 しかし、エボラ出血熱がコートジボワールに拡大すれば、状況が急速に悪化する可能性もある。動物園の園長は、「そうなれば間違いなくパニックが起きる。人々は飼っている動物を捨てるだろう」と語る。

 同国では野生動物をペットとして飼いならす習慣が広く根付いているため、そうした事態が現実となれば、動物園に引き渡される動物の数は急激に増加する恐れがある。(c)AFP/Joris FIORITI