【9月22日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)競泳男子200メートル自由形決勝で、萩野公介(Kosuke Hagino)は、孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ、中国)と朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン、韓国)という強豪2選手を退け、憧れのマイケル・フェルプス(Michael Phelps、米国)に一歩近づいた。

 先月、パンパシフィック水泳選手権(Pan Pacific Swimming Championships 2014)の男子200メートル個人メドレー決勝でフェルプスを破った20歳の萩野は、自由形で獲得した驚きの金メダルが、自身を次のレベルに押し上げるものになると語った。

 萩野は記者団に対し、「今日は勝てると思っていなかった」と明かし、「孫も朴もレベルが違う選手で、彼らを破ったなんて信じられないような気持ちです。次に彼らと国際試合で戦うときに、大きな自信になります」とコメントした。

 スーパースターのライバルに大きな注目が集まる中、今大会で6種目に出場する萩野は、終盤の猛攻で僅差の勝利をさらった。

「彼らは手強く、接戦になることは分かっていた」と語った萩野は、1分45秒23で優勝し、ロンドン五輪の400メートルと1500メートル自由形を制した孫に0.05秒差をつけた。

「どうにか彼らに食い下がって、離されないようにした。僅差だったし、勝ったとは思いませんでしたが、優勝できたことは大きいです。鳥肌が立ちました」

 萩野は、2004年のアテネ五輪と2008年の北京五輪で100メートルと200メートル平泳ぎの2冠を達成し、日本に水泳ブームを巻き起こした北島康介(Kosuke Kitajima)に続き、日本水泳界の新たなエースとして頭角を現している。

 複数の種目に挑戦し、すでにフェルプスと比較される存在となっている萩野は、この勝利が刺激となり、今後も主要大会でコンスタントに優勝できる力につながるだろうと話した。

 パンパシ水泳では、個人メドレー2冠をはじめとして、200メートル自由形で銀メダル、400メートル自由形でも朴に次ぐ銀メダルを獲得した萩野は、「マイケル・フェルプスは僕のロールモデルです。彼のようになりたい」と語った。

「いつか、フェルプスに追いつきたい。でも、それには結果を出さなければならず、この勝利はそのための大きなステップになりました。まずは、今大会でできる限り多くのメダル獲得を目指します」

(c)AFP/Peter HUTCHISON