【9月22日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)で21日、ロシアのウクライナ危機介入に抗議するデモ行進が行われた。4月にウクライナで戦闘が勃発して以降、ロシアで行われた初の大規模な反戦デモだ。

 デモ行進は、「ピースマーチ(The Peace March)」と名付けられ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が2012年に3期目の大統領任期を開始して以降で最大規模の抗議行動となった。

 デモ参加者らは、プーシキン広場(Pushkin Square)からサハロフ通り(Sakharov Avenue)まで2時間半にわたり行進。ウクライナの青と黄色の国旗を振り、「ウクライナに平和を、ロシアに自由を、プーチンを刑務所に」とシュプレヒコールし、ジョン・レノン(John Lennon)が作った曲「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」を歌った。

「ウクライナ、私たちを許して」「プーチン、嘘をやめろ」などと書かれたプラカードを掲げ、多くがウクライナからの軍の撤退と、同国への干渉の停止をプーチン大統領に求めた。

 ロシアでは、ウクライナ領内でのロシア軍部隊の存在が一切報道されていない。ウクライナ政府と西側諸国は、同国政府軍との戦闘を続ける親ロシア派分離勢力を支援するためにロシア政府が正規兵部隊をウクライナに派遣していると主張しているが、ロシア政府はこれを否定している。デモ参加者の多くは、ロシアのウクライナ派兵と、秘密裏に行われている兵士らの葬儀を非難する声を上げた。

 デモには、有名作家のリュドミラ・ウリツカヤ(Lyudmila Ulitskaya)さんと、元政府閣僚の野党活動家、ミハイル・カシヤノフ(Mikhail Kasyanov)元首相とボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)元第一副首相も参加。

 モスクワ警察は、デモ参加者数は5000人近くとしているが、主催者の一人、セルゲイ・ダビディス(Sergei Davidis)氏は、正確な数を出すのは難しいものの最高で4万人が参加したと話している。

 AFPの特派員によると、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)でも同日、無許可の集会が行われ、約1000人が参加した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO, Olga ROTENBERG