中国中間層の拡大を狙う新経済特区、横琴島
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■香港、深セン、マカオに囲まれた地理的優位性
多額の税控除を認めている横琴新区当局によれば、2008年に開発事業が始まって以来、総額2500億元(5兆4300億円)の投資を集めたという。横琴新区行政管理委員会の牛敬(Niu Jing)主任は「私たちは(深センなどの)経済特区よりもさらに特別な政策をもっている」とAFPに語り「マカオと香港に隣接する横琴島の地理的条件には、明らかに利点がある」と自信を示した。
アジアの金融の中心地である香港に、カジノで潤うマカオ。マカオのカジノには中国本土から観光客が押し寄せ、年間のカジノ収入は米ラスベガス(Las Vegas)の7倍とされる。
しかし横琴島の前途にはまだ長い道のりがある。2020年までに人口25万人以上を目指すが、現在の定住者は1万人にも満たない。「海洋王国」へ至る広い高速道路の左右には、集合住宅の建設が滞っている地区が目立つ。
クリエーティブな産業を興すにも、中国政府の厳格な検閲制度が問題だ。外国のウェブサイトを遮断する「万里のファイアウオール」と呼ばれる厳格なネット検閲や、大学の厳重な管理体制は創造性を抑えつけている。
これに対し横琴新区当局は、教育と文化の中心地として信用を勝ち取るために、表現の自由に対する規制を緩和すると宣言している。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は昨年、横琴島では「インターネットへのアクセスが制限されず、マカオのような社会的・政治的権利が保障される」と報じた。
同じく国営英字紙で中国共産党にさらに近い環球時報(Global Times)は、新区当局から「中国本土で初めて、住民がファイアウオールを避けて、ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)、ユーチューブ(YouTube)といった遮断されているウェブサイトにアクセスできる地域にする」案が提出されたと報じた。
しかしAFP特派員が同島を訪れた際には、厳しいネット規制はまだ緩和されておらず、横琴市当局はこの計画の現在の状況に関する談話を拒んだ。(c)AFP/Tom HANCOCK