湖に次々浮かぶ腐乱遺体、四肢を縛られ袋詰め アフリカ中部
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【9月20日 AFP】漁師たちは、2か月ほど前から遺体が現れたという──ブルンジとルワンダの国境沿いに位置するルウェル湖(Lake Rweru)の輝く湖面に、四肢を縛られたり袋詰めにされたりした腐敗遺体が次々と浮かんでいる。
遺体がどこからやって来て、なぜ湖に浮かんでいるのか、事件は謎のままだ。ブルンジ側は困惑し、隣国のルワンダも何も手掛かりがないという中、捜査は行き詰まりをみせている。
公式には、縛られて袋詰めされた状態で先月発見された遺体の数は4体だが、政治的混乱と深刻な人権侵害が長年続くこの地域が警戒を強めるには十分だ。さらに漁師たちは、実際にはその10倍に上る遺体が発見されていると述べている。
8月末、遺体の身元を特定するブルンジ・ルワンダ合同調査委員会が設置された。ブルンジの大統領報道官は今週、両国が協力して事件解決に尽力していると繰り返し表明した。だが現場では、この謎の解明に向けた進展はほとんどないようだ。
ブルンジ側の自治体の首長は「地元の指導者たちに行方不明者がいるかどうか問い合わせたが、いないという回答だった」と語った。また首都ブジュンブラ(Bujumbura)で取材した外交官によれば、遺体は検視されずに埋葬されているという。「これでは身元の特定どころか、どこからやって来た遺体なのかも分からなくなる」と外交官は嘆いた。
■ルウェル湖に流れる川の暗い過去
2006年、ブルンジでは政治抗争で殺害された人々の遺体が、国内各地の河川に投げ捨てられた。この年はブルンジが10年に及ぶ内戦から立ち直り始めた年だった。ブルンジの政治情勢は今も、来年6月の大統領選挙に向けて不安定な状態にある。
一方、隣国ルワンダを率いる強権的なポール・カガメ(Paul Kagame)大統領は、劇的な経済成長を実現はしたが、亡命中だった野党指導者を暗殺したとの疑惑など、反対勢力に対する弾圧に非難が高まっている。