全長10キロのルウェル湖の両岸の住民は、ニャバロンゴ・カゲラ(Nyabarongo-Kagera)川から湖に遺体が流れてきたと証言している。この川の源流はルワンダで、そこからルウェル湖へ入り、さらにブルンジ、タンザニアを通過してビクトリア湖(Lake Victoria)に流れ込む川だ。

 1994年のルワンダ虐殺の際に、この川に遺体が投げ込まれたというおぞましい過去がある。

■「ルワンダで見つかった遺体はない」

 地元住民によれば、遺体が流れ着き始めたのは7月中旬だった。だが遺体を発見した住民は、トラブルに巻き込まれるのを恐れて遺体を湖に押し返したという。

 匿名を条件に取材に応じたあるブルンジ当局高官は「ブルンジ政府は、ルワンダ政府との関係のために真実を犠牲にするだろう」から、この事件の真相が明るみに出ることは恐らく決してないだろうと語った。そして「ブルンジは強力な隣国の反感を買うことはできないのだ」と述べた。

 ルワンダ側の警察にAFPが取材すると、遺体がルワンダからやって来た可能性を否定し「ルワンダで見つかった遺体はない。遺体はブルンジで見つかっているのだ」と述べた。ルワンダの農民にかん口令が敷かれていることを指摘すると、警察広報は「知らない」とだけ述べた。(c)AFP/Esdras NDIKUMANA