【9月19日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は18日、英国人のフリーフォトジャーナリスト、ジョン・キャントリー(John Cantlie)氏を撮影した動画を公開した。その中でキャントリー氏は、自分は人質として拘禁されていると語っている。

 動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿された3分21秒の動画は「私の話に耳を傾けて(Lend Me Your Ears)」と題され、オレンジ色のつなぎを着たキャントリー氏が、ニュースリポートのようにカメラに向かって英語で話し、アラビア語の字幕が付けられている。

 同氏は今後一連の動画の中で、イラクとシリアの一部を掌握している「イスラム国の制度と動機の裏に秘められた真実」を明らかにすると予告している。この動画を見る限り、キャントリー氏に命の危険が迫っている様子は見受けられない。

 過去にAFPをはじめ、英日曜紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)やサンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)にも寄稿しているキャントリー氏の話では、2012年11月にシリアを訪問した後に拘束されたという。

 この動画がいつ撮影されたのか、またキャントリー氏がいつISの人質になったのかについては不明だが、今年6月にイラク内の広範囲を掌握したISの根絶を目指す米国主導の軍事作戦に言及しているため、少なくともそれ以降に製作されたとみられる。

 この最新動画投稿の数日前にISは、英国出身の援助活動家、デービッド・ヘインズ(David Haines)氏を斬首する場面を撮影したという動画を公開。その中でISは、イスラム教系慈善団体の要請で、シリア向けの人道援助車両の運転ボランティアに応じた英国人、アラン・ヘニング(Alan Henning)氏を殺害すると脅迫している。またISは先に、2人の米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏とスティーブン・ソトロフ(Steven Sotloff)氏を殺害している。(c)AFP