【9月25日 MODE PRESS】服部栄養専門学校理事長・校長で医学博士の服部幸應氏やシェフの三國清三氏をはじめ、フード業界を牽引するキーパーソンたちが、次世代を担う子どもたちの食育活動に取り組む「味覚の一週間」が、10月19日から26日にわたり開催される。

■「味覚の一週間」のはじまり

 1990年、ジャーナリストで料理評論家のジャン=リュック・プティルノー氏を中心に、次世代を担う子どもたちにフランスの食文化を伝えるべく始まった「味覚の一週間」は、「味覚の授業」「味覚の食卓」「味覚のアトリエ」の3つプログラムを通し、五感を使って味わうことの大切さや楽しさを体験できる様々な食育活動を行っている。日本では2011年から「味覚の一週間」の考え方を日本の食文化に適した形で再編し、シェフやパティシエ、生産者などがボランティアで小学校を訪れ子どもたちに基本の味を伝える「味覚の授業」を核に活動してきた。

■今年のテーマは「旬」

 4年目を迎える今年のテーマは「旬/SAISON」。美味しく食べられなおかつ体にも良い、「旬」を意識した食事の大切さを伝えていく。「味覚の授業」は規模を拡大し、全国の小学校133校、9659名の児童を対象に、ミッシェル・トロワグロ(Michele Troisgros)氏や三國清三氏ら食のプロフェッショナルが五感を使って食べることの大切さ、食の楽しみを伝える授業を行う。「味覚の食卓」では、「味覚の授業」に参加したシェフ、料理人の店を中心に5味がバランスよく食べられる一皿のレシピを提案、77店舗が参加予定だ。さらに日本の弁当文化を発信する「『味覚の一週間』インターナショナル BENTO コンクール」、や国内外の有名シェフや料理人を招いたシンポジウムやワークショップも期間中に開催する。

■世界的な味覚の劣化問題に

 日仏メディア交流会会長でパリ日本文化会館初代館長の磯村尚徳氏は、「世界的に味覚の劣化が顕著になりつつある。米国では子どもの3人に1が肥満児となっており、その原因はジャンクフードにある。フランスと日本が協力し味覚の一週間というイベントを盛り上げていかなければいけない」とコメント。服部栄養専門学校理事長・校長で医学博士の服部幸應氏は「味覚の一週間はフランスで今年25周年を迎える。5000人のシェフがボランティアで参加し、20万人の学生に授業を行っている。日本はまだ4年目だが、もっとこの輪が広がっていけばいいなと願っています」とコメントした。

■関連情報
・「味覚の一週間」公式サイト:http://www.legout.jp/
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