【9月17日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)のゴールデンゲート(Golden Gate)海峡の沖合すぐの海底で、100年以上行方不明だった「幽霊船」3隻が発見された。

 始まったばかりの2年計画の調査で発見されたのは、1910年の難破船「SSセルジャ(SS Selja)」、1863年に沈没した大型帆船「ヌーンデイ(Noonday)」、そして「謎の難破船」と名付けられた古い蒸気タグボート。

 サンフランシスコの名所ゴールデンゲートブリッジ(Golden Gate Bridge)近くのファラロン湾国立海洋保護区(Gulf of the Farallones National Marine Sanctuary)とゴールデンゲート国立保養地(Golden Gate National Recreation Area)の沖合いの海底には、約300隻の難破船が眠っているとされる。

■カリフォルニアの過去を物語る沈没船

「海洋保護区と国立保養地の間の海域は、米国で最も卓越した海底博物館の一つだ」と、国立海洋保護区事務所(Office of National Marine Sanctuaries)の海洋遺産部門責任者のジェームズ・デルガド(James Delgado)氏は言う。

 デルガド氏はさらに、「これらの難破船は、2世紀にわたってカリフォルニアの建設に携わり、アメリカに太平洋を切り開いた人々の迫力ある物語を語っている。船の残骸を発見することは過去と現在を結び付けることだ」と語った。

 ヌーンデイ号は、ゴールドラッシュ時代からその後にかけて、カリフォルニア州に物資や人々を輸送した大型の高速帆船の船団の一隻だった。ファラロン諸島(Farallones)北部の「ヌーンデイ・ロック(Noonday Rock)」は同船から名称を採用した。

 専門家チームは遠隔操作カメラとセンサー機器で難破船の位置を特定した。また最近の潜水活動のデータの分析も継続しており、分析が終わり次第、公表する予定だ。

「ゴールデンゲート沖の難破船が眠る海底は探検、発見、そしてわが国の海洋文化遺産を味わうための場所だ」と、ファラロン湾国立海洋保護区のブライアン・ジョンソン(Brian Johnson)氏は語る。同氏によれば、「この多様な遺産の研究、保護、宣伝を通じて、米国人はわれわれの共通の過去についてもっと知ることができる」という。(c)AFP