ユタ州とバージニア州では、下級裁判所で同性婚の禁止が覆されたが、最高裁は、全米での同性婚解禁の是非について判断を下すまで、その判決の施行を一時停止するよう命じた。憲法説明責任センター(Constitutional Accountability CenterCAC)の弁護士、エリザベス・ウィドラ(Elizabeth Wydra)氏によると、これは、「同性カップルとその家族が、(同性婚の)完全なる正当化を求めるさらなる訴訟を待たなければならない」ことを意味する。

 しかし、「最高裁がこれらの上訴を棄却すれば、(同性婚合法化の)差し止め命令は解除され、何千万人もの人々が平等に結婚できる州で暮らせることになる」と、南カリフォルニア大学(University of Southern California)のデービッド・クルス(David Cruz)教授(法学)は説明する。

 最高裁は非公開会議の翌日である9月30日にも、5州での訴訟のいずれかを審理するか否か判断し、2015年6月に最終的な判決を下す可能性がある。だが一方で、その他の連邦控訴裁が同性婚禁止は合法との判決を下すのを待つ可能性もある。

「控訴裁判所で異なる判断がなされた場合、判事らは(最高裁に訴訟を移す)移送命令を拒否するのがより難しくなる。なぜなら、それは米国内の地域によって、結婚の平等に関する異なる法規制が存在することを意味するからだ」とリッチモンド大学(University of Richmond)のカール・トビアス(Carl Tobias)教授(法学)はAFPに説明した。

 だがクルス教授は、最高裁が控訴裁の判断を待つことなないだろうとみている。「(最高裁の)判事らは、自分たちの判断なしに多くの歴史のページが記されていくことを黙って見てはいないだろう」

(c)AFP/Chantal VALERY