【9月17日 AFP】フランス国民議会(下院)は16日、危機的状況に直面しているマニュエル・バルス(Manuel Valls)首相の改造内閣を小差で信任した。現政権が進める経済改革が一応認められた形となり、支持率が下がりきっているフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領にとってはひとときの安堵をもたらす結果となった。

 バルス首相が国内で論争を呼んでいる歳出削減と法人税減税を断行すると熱のこもった演説を行った後、議員らは内閣信任投票に移り、賛成269反対244でバルス内閣は信任された。しかしバルス氏が首相に初就任した今年4月の信任投票では賛成306票を獲得しており、今回はより小差での信任となった。

 バルス氏は演説で団結を訴えたが、与党・社会党の強硬左派議員らは、バルス氏が掲げる政策が企業優先で右寄りだと抗議するため投票を棄権していた。社会党筋によるとその数は約30人に上ったとされる。社会党有力議員のクリスチャン・ポール(Christian Paul)氏は、「国民の大半が役に立たず不公平だと感じている政策を変えようとしない首相」への抗議を示すため棄権したと説明した。

 同国で次に注目されるのは、記録的な高さの失業率と低迷する経済成長で支持率が底をついている苦難続きのオランド大統領が18日に行う異例の記者会見だ。経済問題だけでなく、元パートナーのバレリー・トリルベレール(Valerie Trierweiler)さんが出版してベストセラーになっている暴露本に関する質問も飛び出すことが予想される。(c)AFP/Richard CARTER