【9月16日 AFP】映画『ジャンゴ 繋がれざる者(Django Unchained)』に出演したアフリカ系米国人女優ダニエル・ワッツ(Daniele Watts)さんが、売買春の疑いで自分と白人の夫を一時拘束したロサンゼルス(Los Angeles)警察の対応について、人種差別的と批判した。

 現場となったのは、ロサンゼルス北部の高級住宅地スタジオシティー(Studio City)。ワッツさん夫婦によると、2人は11日に公共の場で互いへの愛情を示す行為をした後、警官に手錠を掛けられて拘束され、事情聴取を受けた。ワッツさんは、手錠がはめられている間に手首に切り傷を負ったという。

 ロサンゼルス警察は14日の発表で、市民から「公然わいせつ行為」についての通報を受けて警官が現場に急行し2人を拘束したが、後に犯罪行為はなかったと判断し拘束を解いたと説明している。

 ワッツさんは11日、フェイスブック(Facebook)の自身のページに、「今日、公共の場所できちんと服を着て愛情表現をしたことが間違った行為だと認めることを拒んだら、警官2人に手錠を掛けられて拘束された」と書き込んだ。

 さらに、「パトカーの後部座席に座っている時に、父親のことを思い出した。何も悪いことをしていない父親が、警官に侮辱されたり不満を募らせたりして家に帰ってきたことが、数えきれないくらいあった」と続け、「父の不名誉や怒りを私も感じるし、この世界に存在することに対する私自身の失望も感じる。私は、この世界では『権力者』が私の存在、私が存在する力をコントロールできるのだということをうかつにも信じてしまっていた」と憤りを語った。

 ワッツさんが投稿した写真には、白いTシャツとカラフルなショートパンツ、スニーカーを身に着け、両手を後ろにまわしたワッツさんが、警官の隣で泣いている様子が写されている。

 一方、夫のブライアン・ジェームズ・ルーカス(Brian James Lucas)さんも、警官らが白人の自分と黒人のワッツさんを見て、売春婦とその客だと思い込んだのだろうと指摘し、警察の対応を批判した。(c)AFP