【9月16日 AFP】2013-14シーズンに、12年間待ち望んでいた通算10度目の欧州制覇を果たしたレアル・マドリード(Real Madrid)だったが、そのチームが今季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)に危機的な状況で臨むことになるとは、誰も想像していなかった。

 リスボン(Lisbon)で行われた前回大会の決勝で、延長戦の末にアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)を4-1で退けてからわずか4か月後、レアルは本拠地にFCバーゼル(FC Basel)を迎える試合で、力強い立て直しが求められている。

 大会連覇が期待されるレアルは、13日に行われたアトレティコとのダービーに敗れ、リーグ戦で連敗を喫した。

 レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は、試合後にチームのバランスの悪さを嘆いた。今夏のレアルは、移籍期限終了間際にアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)とシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)を放出している。

 ファンからもっとも厳しい目を向けられているのが主将を務めるGKイケル・カシージャス(Iker Casillas)で、アトレティコ戦では最近2試合で3度目となるセットプレーからの失点を許すと、カシージャスにはスタジアム中からブーイングが浴びせられた。

 スペイン代表が散々な結果に終わったW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でも、大きな批判を浴びたカシージャスは、「ファンは常に何がベストなのかを知っている。彼らがブーイングをしなければと思ったのであれば、僕たちはその主張を受け入れ、尊重しなくてはならない」と話した。

「良い練習を積み、プレーで応えることが僕たちの仕事だ」

 バーゼル戦では、トニ・クロース(Toni Kroos)とハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)が、レアルでのチャンピオンズリーグ初出場を果たすとみられているが、W杯で輝きをみせた2人もクラブに加入してからまだ日が浅く、ここまでのところディ・マリアとアロンソの穴を埋めるには至っていない。

 それでもカシージャスは、昨季のチームが同じように序盤は低迷しながらも、最後は欧州チャンピオンズリーグとスペイン国王杯(Copa del Rey 2013-14)のタイトルを獲得しているからか、チームには現在の不調から脱せるだけの選手がそろっていると自信をみせている。

 カシージャスは「僕たちはチャンピオンであり、勝利を手にしたチームだ。お互いに対する信頼は無限大だ」とコメントした。

「僕たちはたった数か月前に複数のタイトルを獲得した。現在のこの状況も、レアル・マドリードと、ここにいる選手たちなら変えられるはずだ」