【9月15日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は14日、シングルマザーや、既に結婚歴がある人、そして同教会では「罪」とされる婚前の同居生活を送っているカップルなどの結婚式を、バチカンで主宰した。

 フランシスコ法王が式を執り行った20組のカップルは、それぞれ多種多様な社会的背景を持ち、現代における夫婦の現実的な例となるような人々。タブーに挑戦することとなったこの式は、法王が目指す「開かれた教会」を示すものとなった。

 法王は、老若合わせたカップルに対し、結婚は「容易な道ではなく、時には争いの旅となるが、それが人生だ」と語りかけた。2時間に及んだ厳粛な式には、カップルの家族も参列した。

 法王が結婚を執り行ったカップルの中には、シングルマザーのガブリエラさんと、そのパートナーのグイドさんもいた。グイドさんの前の結婚は、教会の裁判所で破棄されていた。

 法王が結婚式を執り行うのは極めて異例で、前回は2000年に故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)が主宰。その前は1994年だった。

 3週間後には、結婚や離婚、避妊という議論の的となっている問題を話し合うカトリック教会の主要会議が控えている。離婚して再婚した人たちに対する聖体拝領を禁ずる現行の方針が討議の主要課題の一つとなっており、教会内の深い対立の解消に向けどうリーダーシップを発揮するかが、法王の試金石とみられている。(c)AFP/ Ljubomir MILASIN