【9月10日 AFP】(写真追加)1846年に北極で行方不明になった英国の探検船2隻のうちの1隻が、カナダの調査団によって発見された。同国のスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相が9日、発表した。

 英国の探検家ジョン・フランクリン卿(Sir John Franklin)率いる北極探検隊が乗船していた英海軍艦船「エレバス(HMS Erebus)」と「テラー(HMS Terror)」の発見に向け、同政府は2008年以降、極寒の遠隔地の海底を詳細に調査する大規模な捜索活動を6回にわたり実施してきた。

 そしてついに7日、遠隔操作の海底探査機によって今回の発見が確認されたと、ハーパー首相は声明で述べている。「これはカナダにとってまさに歴史的瞬間だ」とハーパー首相。「今から200年近く前に行われたフランクリン卿の遠征がカナダの北極主権の基礎を築いたことを考えると、同卿の探検船はわが国の歴史において重要な部分を占めるものだ」

 沈没船が見つかったのは、カナダ・キングウィリアム島(King William Island)沖のビクトリア海峡(Victoria Strait)の海底。先住民イヌイット(Inuit)の村落であるケンブリッジベイ(Cambridge Bay)からそれほど遠くない場所にある。今回の発見の信ぴょう性を裏付ける情報は十分に存在する一方で、消えた探検船2隻のうちのどちらが実際に見つかったのかは不明だ。ハーパー首相は、カナダの「重大な謎」が解明されたと述べた上で、もう1隻も間もなく発見されるに違いないとの楽観的な見方を示している。

「1隻目の発見は、その姉妹船を発見し、フランクリン探検隊の乗組員に何が起きたかに関してさらなる詳細を明らかにするために必要な勢いを──あるいはわれわれの帆への追い風を──もたらすに違いない」